コラム

2019.11 レトロ京都…1964東京五輪の年に完成した京都タワー、レトロな姿で京都に馴染む

京都タワー 東京~大阪間の新幹線が開通し、東京オリンピックが開催された1964年の12月にオープンした京都タワーは、学者や文化人の反対意見から景観論争が盛り上がったが、今やすっかり駅前のローソクタワーとして京都に馴染んできた。東寺の五重塔も両本願寺の本堂の大屋根も健在であるが、真っ白な京都タワーが、裾を拡げた着物姿の女性の優雅な立ち姿にも見え、そこはかとない艶っぽさがレトロである。

 京都市の中心部では高さ制限が設けられている。格別の理由が無い限り今は31m以上は建築できないので、131mもある京都タワーは、これからも最高の構築物である。実はこの京都タワーは、鉄骨を一切使わず円筒形の特殊鋼版を溶接で繋ぎ合せた『工作物』として様々な法規上の規制をクリアして構築されている。つまり、『建築物』ではないのである。海の無い京都で町家の屋根瓦を、さざ波に見立て京都を照らす灯台というコンセプトの工作物であった。その後、駅ビルなどの巨大構築物がいくつも建築され、街もすっかり明るくなったが、白いスマートなタワーから、放たれる淡い光は変わらない。

展望台 しかし、内部は大きくリニューアルされている。京都駅からの地下通路に面するアプローチの階段を上がると、そこは地下1階のサンド(=参道)。多様な飲食店が屋台のように並ぶ。思い思いの料理を好きなテーブルに運んでいただく若者に人気のフードコート。1階は、京都特産のお菓子やお土産、2階には工芸品、着物のレンタルShopや焼き物の絵付け体験のお店も並ぶ。オフイスフロアーやタワーホテルを通過して地上100mの展望台に上れば、東山から北山、西山に囲まれた文字通り碁盤の網の目状の京都市街を一望できた。

 『京都タワーもすっかり馴染んできたなぁ~』と京都人はタワーを眺め、観光客や外国人はタワーの中から観光スポットを眺めて街中に出かける。そういえば、地下3階には大浴場があって、京都観光の前後には一風呂浴びてさっぱりして出かけるのがお楽しみと、ネットでささやかれているそうだ。(♨)

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